重大な病気ではないけれど繰り返す頭痛
頭痛を経験したことがないというかたは少ないのではないでしょうか。
まずは早急な対処が必要な頭痛かどうかを見極めることが大切です(脳出血、脳腫瘍など)。
そのような疾患でなくても繰り返す頭痛でお悩みのかたはたくさんいらっしゃいます。
ある程度の分類はできるが、はっきりとした特徴のない頭痛も
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、と分類されることが多く、それぞれのタイプの頭痛が生じるメカニズムは定説としてほぼ確立されています。
じっさいにはそれらの特徴をあわせ持つ場合もあれば、はっきりと分類できるほどの特徴のない場合もあり、いろいろな体調不良にともなって生じる非特異的な頭痛も多くみられます。
頭痛の治療について
薬物治療として現在は多くの種類の鎮痛剤がタイプ別に使い分けられ、さいきんでは作用の強いオピオイドという麻薬系の薬も使用可能となりました。
薬剤濫用性頭痛
つらい頭痛に急場しのぎとして使うのはやむを得ませんが、毎回そうして長期にわたって鎮痛剤に頼り続けるのはリスクがあります。
薬剤濫用性頭痛と呼びますが、薬が効きにくくなってしまうこともありますし、使用量が増えれば薬自体の臓器への悪影響も無視できなくなってきます。
そうした強い薬の頻度を減らすためには水の巡り・血の巡りをよくするような漢方薬の併用も有効です。
頭痛の原因
頭痛の原因は複合的なものと考えられますが、どのタイプであっても生活習慣が大きく関係しています。
よくあるのは肩こりや目の疲れとの関連で、それにはストレッチなど適切な運動や姿勢の改善、マッサージや鍼灸なども有効でしょう。
睡眠不足は大きく影響しますし、緊張感が強い状況にあると常に身体が硬直していることになり頭痛の誘因になり得ます。
食事と排泄
頭痛とは関係ないと思われがちな食生活や排泄もじつはたいへん重要です。
マグネシウムや鉄分など栄養素の不足や、グルテンなどその人に合わない特定の食品が関係していることもあります。
血糖値の乱れが関係する場合もあり、日常的に摂っている甘いもの・砂糖を減らすことで頭痛も軽減します。
これらは食生活を変えてみて初めて「そういえばさいきん頭痛がない」と気がつくようなケースが多いかもしれません。
また、便通がよくなると頭痛の頻度は減りますし、便秘ではないという人も腸内環境の改善に取り組むことでもっと頭痛をよくすることができます。
ケイシー療法ではコロニクス(洗腸)を勧めており、劇的に効く人もいます。
身体に不要となったもの、つまり老廃物はしっかり排出することが何よりも大切なのです。
思考や意識、記憶と頭痛の関係
このようにたくさんの要因が絡んでいる頭痛ですが、こころの状態からも起こってきます。
うつ病の症状としても頻度は多いですが、うつまでいかなくとも、思考や意識や記憶といった通常の検査では知り得ない脳のはたらきとも関係していると考えてもよいと思います。
「しめつけられるような」「頭がガンガンする」「ずーんと重い」などと表現されますが、これは自分を責めていたり、罰している状態のあらわれ、つまり自分で自分の頭を打ちつけたり、締めつけたりしているのと同じことです。
頭が痛くなったとき、じつはそのような思考・感情を形成するもとになった過去の記憶が刺激される状況があったからなのかもしれません。
こころの奥にしまい込んだ思いに意識的になることで症状の改善に繋がります。